地方競馬の中でも大井競馬場とアメリカ競馬のサンタアニタ競馬場が深い関係を持っている事はご存知でしょうか?
実は地方競馬場である大井競馬場とアメリカ西海岸にあるサンタアニタ競馬場は友好交流提携を結んでいるのです。
そこで、当記事では大井競馬場とアメリカ競馬のサンタアニタ競馬場の関係性や歴史などを解説していきます。
大井競馬場とアメリカ・サンタアニタ競馬場の友好関係の始まり
地方競馬でもある大井競馬場とアメリカ競馬のサンタアニタ競馬場は、今から25年前の1995年に友好交流提携を結びました。
1995年と言えば、日本では阪神淡路大震災が起こった年ですが、その年になぜアメリカ競馬との交流が始まったのでしょうか?
当時、大井競馬場は「TCKを世界に名だたるダート競馬場に押し上げたい」という強い意志を持っていました。
一方、サンタアニタ競馬場は世界に名だたる美しい競馬場としても有名で、過去にはシービスケットやジョンヘンリーを輩出をするトップクラスのダート競馬場として知られていました。
その中で、「TCKを世界に名だたるダート競馬場に押し上げたい。」という意思に共感し、友好交流提携を結んだのです。
この友好関係は互いの発展に貢献し功を奏しました。
互いの友好関係の結晶
大井競馬場で開催されている「サンタアニタトロフィー」とアメリカ・サンタアニタで開催されている「東京シティカップ」は互いの友好関係の結晶とも言えるレースです。
実は大井競馬場で毎年開催されている「サンタアニタトロフィー」は1995年までは「関東盃」という名前で開催されていましが、友好提携が結ばれた際に変更となりました。
また、2005年には、サンタアニタ競馬場で長く続いていた「サンバーナーディノハンディキャップ」というレースがG3レースへと昇格し「東京シティカップ」として開催されるようになったのです。
「サンタアニタトロフィー」はブリーダーズカップマラソンのステップレースとして位置する重要なレースとなり、日米問わずに競馬ファンが楽しめるようになり、毎年両競馬場の代表場が訪れ、さらに友好関係を深めています。
過去の「サンタアニタトロフィー」では、過去にレッドアラートデイが米国から参戦しTCKの馬たちとしのぎを削るという、斬新な試みも行われましたが、結果は惜しくも15着に終わりました。
しかし、それでも地方競馬に新しい友好の形を見せてくれたのです。
サンタアニタトロフィーとは?
サンタアニタトロフィーは、ダート競馬の本場とも言われるアメリカ競馬のサンタアニタパーク競馬場と大井競馬場が友好交流提携を結んだことを記念に1996年から始まったレースです。
2006年にはサンタアニタパーク競馬場の社長が大井競馬場に訪れ、大井競馬場の中では様々な交流イベントやサンタアニタパーク競馬場の紹介が行われました。
2015年のサンタアニタトロフィーでは友好提携の20周年を記念し、「~友好交流20周年記念~」の名を冠して行われたのです。
ちなみに、サンタアニタトロフィーは2010年まではダート内回り1600メートルで行われていましたが、トゥインクル・ナイター25周年を記念して2011年はダート外回り1800メートルに変更となり、日本国外から招待馬を招く国際招待競走として行われました。
負担重量もハンデキャップから別定に変更され、2012年からは再び国際競走ではなくなり、ダート内回り1600メートルのハンデキャップ競走に戻りました。
今まで開催時期は7月中旬に開催されていましたが、2020年からは11月中旬に開催される予定です。
下記にサンタアニタトロフィーの概要を紹介します。
■出走資格
サラブレッド系3歳以上、南関東所属。
サンタアニタトロフィートライアルの優勝馬と京成盃グランドマイラーズの優勝馬に優先出走権がある。
■負担重量
ハンデキャップ
■賞金額
1着:1,300万円
2着:455万円
3着:260万円
4着:130万円
5着:65万円
着外手当:15万円
■優先出走権付与
優勝馬には、日本テレビ盃の優先出走権が付与
■歴代優勝馬
回数 | 開催年月日 | 優勝馬 |
第31回 | 2010年7月28日 | カキツバタロイヤル |
第32回 | 2011年8月3日 | カキツバタロイヤル |
第33回 | 2012年8月1日 | ゴーディー |
第34回 | 2013年7月31日 | セイントメモリー |
第35回 | 2014年7月30日 | セイントメモリー |
第36回 | 2015年7月29日 | ソルテ |
第37回 | 2016年8月3日 | リアライズリンクス |
第38回 | 2017年7月26日 | ゴーディ |
第39回 | 2018年8月1日 | ヒガシウィルウィン |
第40回 | 2019年7月31日 | ノンコノユメ |
東京シティカップとは?
東京シティカップは1957年から始まったレースですが、当初はサンバーナーディーノハンデキャップ(San Bernardino Handicap)というレース名で開催されていました。
大井競馬場との友好提携を記念し2005年に現在の「東京シティカップ」へと改名されたのです。
レース創設当初は3歳限定競走でしたが、現在では逆に4歳以上の競走として施行されるようになりました。
距離n関しても何度かの変更があり、2008年からはオールウェザー1マイル1/2(12ハロン・約2414メートル)の長距離戦に改定され、2003年よりG3競走に設定されています。
そして、東京シティカップの優勝馬の中には、ネイティヴダイヴァーやアリシーバなどの名だたる名馬も存在しているのです。
東京シティカップが開催される日には、サンタアニタパーク競馬場で「ジャパンファミリーデー」が開催され、茶道や和太鼓、空手や相撲といった日本文化を紹介するイベントが開催されています。
そんな、東京シティカップの歴代優勝馬を下記に紹介します。
■歴代優勝馬
開催年 | 優勝馬 |
2010年 | Tap It Light |
2011年 | Worth Repeating |
2012年 | Dynamic Host |
2013年 | Sky Kingdom |
2014年 | Majestic Harbor |
2015年 | Sky Kingdom |
2016年 | Big John B |
2017年 | Hard Aces |
2018年 | Hoppertunity |
2019年 | Campaign |
サンタアニタ競馬場TCKステーブル所属馬が初勝利!
2020年2月9日に、サンタアニタ競馬場にある大井競馬場専用厩舎「TCKステーブル」所属の「Arc Nation号」が初勝利を飾りました。
TCKステーブル所属馬としては5頭目となる挑戦で東京都馬主会と共に大井競馬場の国際化に向けての大きな夢の第一歩が実現した形となったのです。
今後も大井競馬場の競走馬がアメリカ競馬のサンタアニタパーク競馬場で活躍し、国際化が進歩していくことを期待しましょう。
まとめ
今回の記事では地方競馬の大井競馬場とアメリカ競馬のサンタアニタパーク競馬場の関係を紹介しました。
地方競馬であろうものがアメリカの競馬と何の関係があるのか?と疑問に思う方もいたかもしれませんが、大井競馬場とサンタアニタパーク競馬場の友好関係は非常に深いものとなっています。
大井競馬場で「サンタアニタトロフィー」が開催される際には、サンタアニタパーク競馬場の競走馬が出走していたり、サンタアニタパーク競馬場に関するイベントが多数行われていたりもするので、参加にするだけでも非常に楽しめます。
今後も大井競馬場・サンタアニタパーク競馬場の友好関係が深まり、互いにさらなる発展をしていくことを楽しみにしていきましょう。